2011/12/26

Inkscapeカレンダーを作る-月別カレンダー編

前回に引き続き、Inkscapeのカレンダー生成機能を使った来年のカレンダーを作ります。
前回は年間カレンダーでしたが、今回は月別のカレンダーを作りたいと思います。

完成したものがこちら。2012年1月のカレンダーです。

A4サイズで、枠とメモの余白付きです。
1~12月分をまとめて一つのドキュメントに作れたらいいのですが、
そんな、ページ分割のような機能がないようなので、
ドキュメントが12コできてしまいます。。。
そんな手間はありますが、作業自体は単純で簡単です。

(※リンクをクリックすると、InkscapeでDesignの説明ページへ移動します)

用紙設定をします

  1. Inkscapeを立ち上げる。
  2. コマンドバーの右端にあるボタンをクリックして[ドキュメントの設定]を表示し、方向を「」に設定します。(用紙設定について詳しくは→こちら

枠線を作ります

  1. (※枠線いらない、という方はこの項目を飛ばして、次の「カレンダーを配置します」からご覧ください)
    枠線は[パスエフェクト]機能の[グリッドの構築]を使うと簡単にできます。
    ペンツールに切り替え、[Ctrl]を押しながら、下記の順に、1:クリック、2:クリック、3:ダブルクリックし、下記のような一続きのパスを描きます。
  2. メニューバーの[パス]メニューより[パスエフェクトエディタ]を開き、パスが選択状態になっているのを確認してから、[グリッドの構築]を[追加]します。
    すると、下記のようなグリッドができます。
  3. X軸サイズ:7、Y軸サイズ:6に設定します。
  4. [ノードツール]に切り替えると、1で描いたパスが赤線で表示されます。ノードをドラッグするとグリッドの大きさが変化しますので、お好みのサイズに調整します。[Ctrl]を押しながらドラッグすると角度を固定できます。 (赤線が表示されないときは→こちら
  5. 大きさが決まったら、[選択ツール]で枠全体を選択し、ツールコントロールバーの幅のサイズをメモしておきます。
  6. この枠にカレンダーを乗せて配置を調整するのですが、調整する際に枠を動かしてしまわないように2つのレイヤーに分けて、枠のレイヤーをロックしておこうと思います。
    コマンドバーよりをクリックして[レイヤー]ダイアログを開きます。をクリックして[現在のレイヤーの前面側]に[追加]します。下側のレイヤーはをクリックしてロックしておきます。

カレンダーを配置します

  1. エクステンション」メニューより「レンダリング」-「カレンダー」を選択します。
  2. [設定]タブで、月:作成したい月、年:来年(2012)、下のオプションはお好みで設定します。
  3. [レイアウト]タブで、[サイズと位置を自動的に設定する]のチェックを外し、[月の幅 ]に、上の5でメモした枠全体の幅を単位付きで入力します。
  4. [][ローカライズ]タブを設定します。ここは年間カレンダー編の6、7と同じなので、そちらを参考にしてください。
  5. [適用]するとカレンダーが生成されます。まずは [選択ツール]で ドラッグして、大まかな位置が合うように配置します。
  6. [Ctrl]+[Shift]+Gを数回押してグループ解除し、行ごとの位置を整えます。(選択したい部分を囲むようににドラッグすると一度に選択できます。選択方法について詳しくは→こちら
  7. フォントの種類やフォントサイズ、休日・祝日の色などをお好みにあわせて変更したらできあがり。このあたりのことは詳しくは年間カレンダー編をご覧ください。プリントアウトする際のポイントも最後の方に書いています。
  8. この1月のカレンダーを複製して2月から12月までのカレンダーをはめ込んでいきます。その際、1月のデータを消すのではなく、ページ領域外に置いておき、[スタイルを貼り付け]機能を使ってフォントの種類・色・サイズを一度に変更すると手間が省けます。

2011/12/19

Inkscapeカレンダーを作る-年間カレンダー編

来年のカレンダーの準備はもうお済みでしょうか?
うちではここ数年Inkscapeの「カレンダー」機能を使って手作りしています。
買った方が早い?
はい、ごもっとも。
けど、せっかくカレンダーを自動生成してくれる機能があるんだから活用してみたいじゃないですか。
好きなサイズに作れるし、好きな写真をインポートしてレイアウトすれば、自分だけのオリジナルカレンダーができますよ!

というわけで、作ってみます。
まずはA4サイズ横向きに収まるような年間カレンダーを作ります。
(※リンクをクリックすると、InkscapeでDesignの説明ページへ移動します)

  1. Inkscapeを立ち上げる。
  2. コマンドバーの右端にあるアイコンをクリックして[ドキュメントの設定]を表示し、方向を「」に設定します。(用紙設定について詳しくは→こちら
  3. エクステンション」メニューより「レンダリング」-「カレンダー」を選択します。
  4. [設定]タブで、月:0、年:2012、下のオプションはお好みで設定します。
  5. [レイアウト]タブで、「サイズと位置を自動的に設定する」にチェックを入れると、ページサイズに合わせて自動的に配置してくれます。手動で設定したい場合は、チェックを外し、下の項目をそれぞれ設定します。月の幅、マージンは、単位まで入力するようにします。
  6. []タブで16進数のカラーコードを設定します。
    土曜日と日曜日の色を分けられないのが残念なところ・・・
  7. [ローカライズ]タブで、月の名前と曜日名を設定します。

    月・火・水・・・など日本語を使いたい場合は、[文字エンコーディング]を日本語の文字コードに設定します。
    (※sjisを選択すると、Shift-JISに設定できるようです。)
  8. [適用]ボタンを押すと・・・できました!
できたものはグループ化されていますので、[Ctrl]+[Shift]+Gを数回押して解除します。
7で日本語を設定した場合は文字化けしてると思いますので、日本語のフォントに変更します。(MSゴシックなど)
後はお好みに合わせてフォントの種類やフォントサイズを変えたり、 選択ツールなどで大きさを変えたりして調整します。

残念なのが、土曜日と日曜日の色を分けられないことと、祝日が反映されないところ(しょうがないですね。海外のソフトだから。)土曜日と日曜日、どちらかの色を変更し、祝日をWEBのカレンダーサービスなどで調べて色を変更します。

ちなみに、祝日や土曜日を選択して[フィルストローク]でいちいち色変更するのが面倒なときは、[Shift]+[Ctrl]+Vスタイルを貼り付け)を使うと便利ですよ。
最初に変更後の色を[Ctrl]+C(コピー)しておき、変更したい日を選択後、[Shift]+[Ctrl]+Vすると、コピーした色に変更できます。

複数選択のしかたも色々あり、通常の[Shift]+クリックで順に選択していく方法以外に、[Alt]+ドラッグでは、ドラッグした軌跡の赤線の下にあるものが全て選択されます。
(詳しくは→InkscapeでDesign >色々な選択方法


という感じで形を整えたら次は出力ですが、
[ファイル]メニューから[印刷]を選択すると、エラーになってしまうことがあります。
(というか、うちではこの方法で一度も印刷に成功したことがありません。)
その場合、一度PDF形式に保存し、Adobe Readerなど、PDF閲覧ソフトで開いて印刷するといいと思います。
(詳しくは→InkscapeでDesign > 印刷のしかた

次回は月間カレンダーの作り方をまとめてみたいと思います。

2011/12/11

InkscapeblenderInkscape+Scribusで印刷用PDFを作るには?-その2

前回の記事からのつづきです。仕上がりサイズ=A4サイズのPDFを作ってみます。
(※リンクを部分をクリックすると、InkscapeでDesignの説明ページに移動します。)

Step1 Inkscapeでレイアウト

  1. Inkscapeを立ち上げると、デフォルトでA4サイズの書類が開きます。 
  2. A4サイズ+塗り足し3mmの四角形(216mm×303mm)を描き、中央に配置してガイドに変換します。
    ※中央に配置するには、[整列/配置]ダイアログで、[基準]を[ページ]に設定し、を押すと簡単に配置できます。
  3. 通常通りレイアウトします。
  4. バックに色や画像を引く場合は、2で設定した塗り足しのガイド線の位置まで延ばします。

    ※後で修正する時の為に、ここでバックアップを取っておく事をおすすめします。

Step2 Scribusにインポートする為の準備

  1. [フィルタ]を設定している部分([フィル/ストローク]でぼかしを設定している場合や、[レイヤー]のブレンドモードを[標準]以外に設定している場合も含む)を、選択して、[ビットマップコピーを作成]します。コピー元は削除するか、別レイヤーに移動して非表示にしておきます。
    今回の場合、緑の下のドロップシャドウの部分を[ビットマップコピーを作成]で画像にしました。
  2. 文字をアウトライン化します。
  3. リンクしている画像は[画像の埋め込み]で埋め込み画像にします。
  4. Scribusに読み込んだときの位置合わせのための四角形を、ページの中央に配置します。四角形のサイズは、全体が入るような切りのいい数値に設定するといいと思います。ここでは上下左右15mmずつ大きい、240mm×327mmに設定しました。(線幅はなしにして、フィルだけ設定しておくと誤差が出なくていいと思います)
  5. インポートする以外のオブジェクトを削除して保存します。(周りにオブジェクトを置いていたりすると、Scribusでサイズ合わせする際に面倒なので)

Step3 Scribusにインポート

  1. Scribusを起動し、新規ドキュメントの設定を行います。
    サイズは今回はA4なのでデフォルトのままですが、A4以外の場合は変更します。
    単位をmmに変更します。

    左側の[裁ち切り]タブで、上下左右3mmに設定し、[OK]を押します。
  2. [ファイル]メニューから[インポート]-[ベクトルファイルを取得]を選択し、先ほど保存したInkscapeファイルを選択します。
  3. [SVGファイルはサポートしていない機能を含んでいます]というメッセージが出たら、気にせずOKし、画面上をクリックします。すると、Inkscapeデータがグループ化された状態で取り込まれます。
  4. すこしサイズが大きくなった状態で取り込まれていると思いますので、位置とサイズを調整します。プロパティ(表示されてない場合はF2キーを押す)で、位置、幅、高さを入力します。数値は、Step2の1で設定した四角形の数値に合わせます。今回は、上下左右15mmずつ大きい、240mm×327mmに設定したので、次のように入力しました。
  5. [Ctrl]+[Shift]+Gを数回押して、グループ化を解除します。Step2の1で設定した四角形を削除します。

Step4 カラー設定について

[ファイル]メニューの[ドキュメントの設定]の[カラーマネジメント]の項目で、[画面上でプリンタをシュミレートする][全ての色をプリンタ空間に変換する]にチェックを入れておくと、上の方で設定しているICCプロファイルに基づいて、画面上で色を確認できます。
Scribus上でオブジェクトの色を調整する場合は次の要領で行えます。
  1. オブジェクトを選択し、プロパティ(F2)で設定している色を確認する。
  2. メニューバーの[編集]メニューより[色]を選択。 
  3. 1で確認した色を選択後、[編集]をクリック。 
  4. [カラーモデル]を[CMYK]に変更後、右のスライダーで調整し、[OK]を押すと変更されます。

Step5 PDFにエクスポート

  • [ファイル]-[エクスポート]-[PDF形式で保存]を選択すると、何も問題ない場合は、PDF作成画面が表示されるので各設定を行います。
    各項目の上にマウスオーバーさせるとヒントが表示されるので参考にできます。
    [色]タブでは、[プリンタ]を選択します。

    [製版]タブで[切り取りマーク][裁ち切りマーク][登録マーク]にチェックを入れると、四隅のトンボとセンタートンボが付きます。下の、[ドキュメントの裁ち切りを使う]にチェックを入れます。

    [保存]を押すとPDFファイルが作成されます。
  • PDF作成画面が表示されず、[プリフライト検証]画面が表示されたときは、データに不備がある可能性があります。
    まずは、PDFのバージョンを確認した上で、エラー内容を確認します。
    プリフライト検証のチェック項目は、[ファイル]メニューの[ドキュメントの設定]の[プリフライト検証]の項目で設定できます。
    設定によっては、埋め込み画像が、設定している最低解像度以下の場合などでもエラーになります。


というわけでトンボつきのPDFができました。
カラーモードは、上記[PDF形式で保存]の[出力の目的]で[プリンタ]を選択していればCMYKになると思います(たぶん。。。)
実際これで問題なく印刷してもらえるのかどうかは、残念ながらまだ機会がないので検証できておりません。。。



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